背中

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泣き腫らした目で見上げると、シュウがあたまをぽんぽんした。 ちょっとだけ笑うと、頷いて部屋を出ていく。 ……ありがとう、シュウ。 元気、出たよ。   大学二年の冬。 やっぱり部屋でひとり泣いてたら、背中に軽い衝撃。 「……どうした?」 「……振られた」 「そっか」 いつものように背中合わせに座る、シュウ。 「……別れて正解だよ、あんな男。 ユカもわかってるんだろ」 「……うん。 でも、好きだったんだもん」 ……知ってたよ、二股かけられてたの。 けど、やっぱり別れるのはつらくて。 「すぐに忘れるよ、あんな男。 ユカにはもっと、ふさわしい男がいるから」 ……シュウ、みたいな?
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