背中

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「俺が力になれることなら、なんだって相談に乗るから」 「……うん。ありがとう」 いつも通りのあったかい背中に、少しずつ気持ちが整理できていく。 泣いてる私に、やっぱりシュウは黙って手を握っていてくれた。 「……ごめんね、わざわざ」 「いいよ。 ユカが泣いてるんだったら、俺は地球の裏側からだって、すっ飛んでいくから」 「……大袈裟」 私が笑うと、シュウはいつものようにあたまをぽんぽんしてくれた。   あれから数十年後……。 シュウはいつも私が泣いていると言葉通り飛んできて、黙って背中合わせに座ってくれた。 それが嬉しくて。 ……けれど。 シュウはいつまでたっても独身。
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