25人が本棚に入れています
本棚に追加
「俺が力になれることなら、なんだって相談に乗るから」
「……うん。ありがとう」
いつも通りのあったかい背中に、少しずつ気持ちが整理できていく。
泣いてる私に、やっぱりシュウは黙って手を握っていてくれた。
「……ごめんね、わざわざ」
「いいよ。
ユカが泣いてるんだったら、俺は地球の裏側からだって、すっ飛んでいくから」
「……大袈裟」
私が笑うと、シュウはいつものようにあたまをぽんぽんしてくれた。
あれから数十年後……。
シュウはいつも私が泣いていると言葉通り飛んできて、黙って背中合わせに座ってくれた。
それが嬉しくて。
……けれど。
シュウはいつまでたっても独身。
最初のコメントを投稿しよう!