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「おう!今、いけるか!」
「おう!今、忙しいか!」
店の電話に出ると、開口一番に、いつもこう言ってくるKさん。
だからと言って、ヤカラではない。
最初は、どんなヤカラが来るんだろうと思っていた。
「いらっしゃいませ!」
ライオンのたてがみのような髪型、爬虫類の皮の柄の雪駄。
色黒で眼光は鋭い。
背丈はそんなに高くない。
でも、なんとなく回りを威圧するオーラをはなっている。
雪駄を脱ぎ、椅子にドカッと座った。
私たちも、一瞬身構えた。
「ご予約のお客様でしょうか?」
対応したスタッフを、皆で心配していた次の瞬間。
「予約していたKです~!お願いしま~す!」
急にニコッとして、頭をペコッと下げた。
先程の、回りを威圧するオーラからの変わりように、心配していたスタッフたちも、思わず微笑んだ。
そして、また眼光鋭く回りを見回す。
「コースは60分で間違いないでしょうか?」
「はい~!お願いしま~す!」
また、ニコッとして、頭をペコッと下げた。
そのやりとりを聞いていた回りのスタッフは、もう、微笑みどころの笑いですまなくなった。
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