4人が本棚に入れています
本棚に追加
なんとかミット打ちも終わった。
そして、息子のミット打ちが始まった。
息子は幼稚園の頃から、私と一緒にジムに通っていた。
「そんなんやったら、二度とバンテージなんか巻くな!ボクシングなんかやめてまえ!」
いつも、バンテージを巻いてからジムに行っていた。
ある日、ジムの駐車場に着いてから、行きたくないと愚図りだした息子。
気が長いほうではなかった私は、ついキツイ言葉を息子に浴びせかけてしまった。
その日を境に、ジムへ行かなくなってしまった息子。
あれから5年、今でも思い出すと胸が痛む。
そして今、私の闘う姿を見て何か感じてくれたらと、なんとかなだめすかして連れてきた。
5年の間、コンビネーションを打つ感覚を忘れて欲しくなかったので、息子の機嫌のいい時に、ミットを持っていたりしていた。
息子も久し振りだったけれど、なかなかいい動きをしていた。
今日の私の闘い振りを見て、何か感じてくれるだろうか。
ミット打ちが一段落し、次はスパーをし合う時間だった。
最初のコメントを投稿しよう!