第2章 地下格闘家Sさん

10/12
前へ
/26ページ
次へ
背中全面に刺青が入った、面構えのいい若者同士だった。 驚いた事にヘッドギアをせずに、バッチバッチにやりあっていた。 そのうち、ハイキックがまともに顔面に入り、若者はフラフラになり、うずくまり倒れこんでしまった。 改めて蹴りの怖さを見せつけられた。 息子の前で無様な姿は見せられない。 「じゃあ、やりますか!」 2分2ラウンド。 「ボクシングルールでいきましょう。」 私に気を使って言ってくれたと思うんだけれど、それはフェアじゃないと思った私は、キックルールでやりましょうと言った。 でないと、私がSさんに言いたい事が伝わらなくなると思った。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加