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Sさんは14オンス、私は16オンスのグローブ。
そして、Sさんはヘッドギアを着けて、私はナシ。
ノーファールカップはお互いナシ。
後に、これが後悔する事に・・・。
「はい、いきま~す!」
ゴングはないので、ストップウォッチで時間を計っていた。
久しぶりの実戦。
不安がないといえばウソになる。
でも、現役の頃から、アントニオ猪木じゃないけど、いつ何時誰の挑戦でもうける!みたいな環境で生きてきた。
「今日、お前とお前、3Rな!」
ジムに行くと、有無を言わせず闘わなければならなかった。
そんな世界で生きてきたせいか、モードが切り替わると、すぐに戦闘モードになった。
Sさんの戦闘能力を見る為に、ジャブを数発打ってみた。
やはり、喧嘩慣れしているせいか、反応は中々のものだった。
私はどんな相手だろうと、頭を下げて、インファイトするしか出来ないボクサーだった。
蹴りに対応できるか一抹の不安はあったものの、染み付いたスタイルは変えようがなかった。
Sさんは、対ボクサーのセオリー通りローキックを多用してきた。
私も最初は、ステップバックしてよけていた。
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