第1章 愛すべきキャラクターのKさん

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Kさんが回りを威圧して、眼光鋭く見回すのと、ニコッとして、ペコッと頭を下げるその繰り返しが、出来の良いコントを見ているようだった。 また、Kさんのニコッと笑った笑顔がなんとも憎めない。 それから、Kさんは月に2度ほど来られるリピーターになった。 Kさんは指名しないので、だいたいのスタッフが施術していた。 来店の電話、来店してからの態度。 もう判で押したように、毎回同じなんだけれど、何故だか笑ってしまう。 やっぱり、その人間が持つキャラクターなんだろうなと思う。 同じダジャレを言っても、しょーもない!と思うのが、この人が言うとなんかオモロイみたいな感じ。 Kさんは、いつも60分の、足つぼとマッサージの半々のセットを選択する。 私も何度か施術した。 そうすると、他のお客様には絶対にそんな話し方しないけれど、Kさんとの掛け合いを楽しむようになってきた。 「え~また、エレジーさんか~!帰ろうかな~!」 「あ、そうですか。お客様お帰りで~す!出口はそちらです!」 「おい!帰らすなよ!居させてよ~!」 「まったく、ワガママなお客さんだ。」 「おい!俺、お客様やぞ!」 と、まぁ、いつもこんな調子だ。
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