プロローグ

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「もし。こんな時間にこんな所で何をしているのですか?」 突然、茂みの中から現れた黒髪の少女に対し、聖は首を傾げながら、そう尋ねながら近づく。 「・・・来ないで・・・」 「え?」 「私に近づかないで・・・放っといて・・・」 が、少女は泣きながらそう言って、聖を拒絶する。 「『放っといて。』とは・・・それは何故?」 「・・・皆が私を忌み嫌う・・・私が醜いから・・・」 首を傾げながらそう尋ねる聖に対し、少女は泣きながら、そう言いながら首を外してみせる。 少女はろくろ首の半妖だった。 ※ろくろ首は一般的な首が伸びるタイプと首が外れるタイプの二つのタイプがあります。By作者 「私が醜いから人間は『化け物』と言って嫌う・・・妖怪も『半端者』と言って嫌う・・・私だって好きでこんな姿になってまで生き返った訳じゃないのに・・・」 「・・・」 「私は何のためにこんな姿になってまで生き返ったの?・・・何のためにこんな姿で生き続けなきゃならないの・・・?」 「・・・」 「わからない・・・わからないよ・・・」 自分の生きる意味がわからない少女はそう言いながら、涙を流し続ける。 「・・・醜くはないですよ・・・」 そんな少女に対し、聖は普通な感じでそう言った。
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