第7章

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(あいつ、か?) 「ママ。とりあえず警察に言ってこの辺りを警戒してもらった方がいいよ。今ぶっそうな事件続いているしさ。俺はちょっとでかけてくるけど」 「ちょっと、景斗ちゃん。着替えもしないで―――」  母親の声を背中で聞きながら景斗は庭から駆け出した。どこへ行けば会えるのかはわからない。唯一の手がかりはあの団地だけだ。 (なんのためにこんな真似を……)  自分がペットボトルを持ち出したのを見られでもしたのか? だとしたらやはりあの団地に住んでいるのだろうか。 (警告のつもりなのか?)  仲間に会えたと思った。同じような力を持つ人間に。 もし力の使い方がわからず苦しんでいるのなら手を貸そうとも思った。 だがこのやり方は使い方をしらない人間の仕業じゃない。自分が何をしているのかちゃんと知っているやり方だ。 (悪質じゃねーか)
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