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「……………………からして。」
先生の声が、どこか遠くに反響しているようだ。
ぼんやりと、京にーちゃんのことを考える。
好きな人のタイプ…………
大人っぽい人とか、好きそうだよなー
もしそうなら、俺、範疇外じゃねぇ？
あ、心臓痛くなってきた。
考えれば考えるほど辛くなる。
涙でそう…………、と1人感傷に浸っていると
「赤根ェ！」
と怒鳴られた。
「はっ！はいっ！」
ガタン、と椅子から立ち上がると
「俺の授業で上の空、とはいい度胸だ。
教科書、69ページ…………読めるな？」
授業態度に厳しい、佐藤（国語表現の）先生に目をつけられたらしい
ああ、内申が……………
成績が……………
いや、悪いのは俺だけどさ…………………
「……………馬鹿だよな。お前。」
昼休み、持参した弁当の煮玉子（うずら）に箸を刺すと
相馬が呆れたようにそう言った。
「しょうがねぇじゃんよ。
考えちゃうんだから…………」
はも、とうずらを口に入れると
「あ、そのうずらうまそー」
と相馬がうずらを1つつまんだ。
「あーっ！俺のうずらぁ！
返せー！お前にはコンビニ弁当があんだろ！」
相馬にそう言えば
「じゃ、だし巻き卵やるから、機嫌直せよ。」
とだし巻き卵を弁当箱に入れられた。
「……………許してやる。」
「サンキュ、ミサキー」
卵1つで機嫌良くなったり、悪くなったりする俺は随分と単純な気がする。
「こんなんじゃ、京にーちゃんの好みにはなれないよな。」
ポソッ、と言葉をこぼすと
「そうか？そういうタイプが一番好かれてること、多いんだぜ？」
相馬はそう言うとシャケを1口、口に入れた。
「そんなもんかな。」
この日、弁当半分残したが……………
「食わねぇならよこせ。」
と相馬に言われたので全部あげた。
こいつの腹、ブラックホールでも飼ってんじゃねえの？
結構食うのに細いし。
畜生、ブラックホール飼ってんなら分けろ。
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