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「京にーちゃん、聞いてよー!」
京にーちゃんの家の玄関の前で京にーちゃんを待ち伏せして、家に入れてもらった俺は早速今日あったことを愚痴る。
「………あ?
お前が、先生の話聞いてねぇのが悪いんだろ?」
自業自得だろ。愚痴るな。
そういいながら京にーちゃんはパソコンを使い、仕事をこなしていた。
「……………そうだけどさ」
ちょっと考え事するくらい誰だってやるでしょ?
と京にーちゃんに同意を求めれば
「知らん。」
と突っぱねられた。
「えぇー、京にーちゃんは考え事したりしないの?
例えば、好きな人のタイプとかさ」
さりげなーく、探りを入れてみると
ピタッ、と京にーちゃんの手が止まる。
「京にーちゃん?」
名前呼んでみると、再びその手がキーボードを打ち始めた。
「俺の好きなタイプ聞いてどうするんだよ。」
あ、考えてなかった。
「……………すっ、好きな子がいるんだよ!
クラスメートに京にーちゃんが好きな子!」
慌てて誤魔化せば、ふーん?とまるで興味もない。という返事をする彼。
「……………で、どういう人が好みか聞いてこいって言われてさ。」
「………………お前。」
「っへ?」
急に自分を指さされ、間抜けな声が上がった。
「お前みたいにバカ正直で素直で
面白いやつが好き。」
そう言った京にーちゃんの顔はパソコンの画面のせいか
少し、赤く見えた。
「……………け、京にーちゃん。
顔、赤いけど大丈夫?」
熱くなる顔を伏して、問えば
「パソコンの画面のせいだろ。」
と随分と冷めた声で言われた。
自惚れてもいいですか?
京にーちゃんの好きな人って、俺みたいな子でしょ?
女の子だったら、付き合えてたよね。
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