両片思いな………

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「ごめん……… ミサキ」 京にーちゃんは顔を背けたまま、俺の顔を見ようとはしない。 「嫌いに、なった?」 そう問えば 「いや、今絶対顔赤いからこっち見んな」 と言われた。 「…………………ふぇ?」 意味が分からず、間抜けな声を上げると 「やべぇ、すげー嬉しいんだけど………」 と京にーちゃんがこっちを見た。 その顔は、あの日見た時よりさらに赤くなっていた。 「……………ミサキ、そういう素振り全然見せないから 前コンビニで会った相馬って子が好きなんだと思ってた。」 京にーちゃんが、へらりと笑いながらそう言った。 目だけは笑ってないけど 「そ、相馬は友達だよ!」 俺が好きなのはずっと、京にーちゃんだけだったよ! そう言えば「ありがとうな。」と額にキスをされた。 「ひゃ、ひゃぁ!」 と、小さな悲鳴を上げると 「可愛いなー、可愛いなー。」 と抱き着かれた。 「も、もう!京にーちゃんってば!」 「ミサキ、俺達恋人になったんだぜ? 名前で呼べよ。」 耳元で低く囁かれ、背筋がゾワゾワッ、とする。 「け、京……………」 「何?」 「京……」 「うん?」 「京、大好き。」 「うん、俺も。」 思いを、伝えてよかった。 後悔してないよ だって、両思いになれたんだから。
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