お前のこと、好きなんだよ?

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「………あー、もうやだ。」 自分嫌い、自分しね。 枕に顔を埋め、グリグリと動かす。 「……………うー、もうやだぁ。」 ツンケンしてしまう自分が嫌になり、早々に自己嫌悪に陥る。 翔のお父さんには普通に接することが出来たのに。 「自分、変だ。」 翔の顔を見るとやたらドキドキするし 喋りたいことも喋ることが出来ない。 「……………変な自分。」 どうして、こんな何だろう。 「坊ちゃん、坊ちゃん。 入りますよ。」 翔の声が聞こえ、慌てて 「おっ!俺はいないから!」 と布団に篭もりながら喚く。 「いらっしゃらないなら声なんて聞こえませんよ。」 翔の声と同時に扉が開く音がした。 「ほら、繭になってないで。 お勉強の時間ですよ。」 「嫌だ嫌だ、ほっとけ!」 布団にすがりつき、叫ぶと ぱっ、と翔が布団を離した。 「えっ、ちょっ! ばか!」 喚く前に頭が床とこんにちはした。 「…………っう、痛い。」 ジンジンと痛む頭部を押さえつけると 「ほっとけ。とおっしゃいましたので。」 と翔は笑った。 「………………ひっでぇ。」
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