お前のこと、好きなんだよ?

11/11
前へ
/32ページ
次へ
「早く時間にならないかな。」 この関係が、壊れてしまうと分かっていてもこれだけは伝えなければいけない。 そんな気がしてならなかった。 「……………頑張れ自分。 素直に、素直になるんだ。」 自分にそう言い聞かせて、ベッドの上に寝転んだ。 「坊ちゃん、入りますよ?」 ノックの音と共に、翔の声が部屋に響く。 「開いてるよ。」 そう言うと、翔は失礼します。と言って部屋に入った。 「…………ご用件は?」 「ま、まあ………… ここ座れよ。」 ぽふぽふ、と自分のベッドを叩くと 翔は遠慮がちにそこへ座った。 「で、ご用件は?」 「……………………分かってんだろ?」 ニコニコと笑う翔を軽く睨みつけると 「自分の口でおっしゃってください。」 と、唇をなぞられた。 「………………………す、きだ。」 「聞こえません。」 「っ好きなんだよ!ばぁか!」 きっと、今、自分の顔は相当赤いのだろう。 ああ、身体が熱を持って暑い。 「よく出来ました。 やっと言ってくれましたね。」 翔は嬉しそうに笑うと、俺の頭を撫でた。 「子供扱いすんな。」 「まだまだ、子供でしょう?」 「な…………………っ」 何を、と翔に口撃をかまそうとしたその時 「子供ですよ。 まだまだ、ね。」 といつになく低音の声音で翔は笑った。 「??????!!!」 思わず右耳を押え付けると 「可愛らしい。」 と鼻筋にキスをされた。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加