両片思いな………

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翌日、学校に行き 昇降口で靴を履き替えていると 「よっす、ミサキー」 と声をかけられた。 「そ、相馬…………。」 声をかけてきたのは桐谷 相馬。 明るい茶髪(高校入学と同時に染めたらしい)と その目つきの悪さのおかげか、不良だと勘違いされ 喧嘩をふっかけられたのは数知れず。 しかし、心根は優しく 俺の良き親友であり、相談相手。 「ぅん?ミサキ、元気ねぇな。」 相馬は俺の顔をまじまじと見て、そう言った。 「……………き、気のせいじゃないの?」 脱いだ外履きを下駄箱にしまえば 「ならさ、何でそんなに悲しそうな顔してんの?」 そう、聞かれた。 「え?!そ、そんなことなっ、」 ばっ、と顔を隠すと「………やっぱなんかあったんだ?」と相馬はニヤリ、と笑った。 「はっ、嵌めたな!テメェー!」 ぽかぽかと相馬の肩を叩くと、 「なんだよ、暴力はんたぁーい!」 と相馬は笑いながら俺の手を掴んだ。 「……………そ、うまぁ。」 俺、おかしいのかも知れない。 泣きそうになるのをこらえ、相馬にそう言えば 「教室で聞いてやるから さっさと歩け。」 と脛を蹴られた。 「はぅっ!」 その場にしゃがみこみ、「それが親友への態度か。」と相馬を睨みつけると 「その場でうだうだ言ってるお前がわりぃんだよ。」 と笑い飛ばされてしまう。 「……………俺の親友が冷たすぎて泣ける。」 もうやだ、ここから動きたくねぇ。 とそこに根をおろすと……… 「はいはい、邪魔になるから教室行こうな。」 と首根っこを掴まれ、引きずられた。 「首っ、首しまっ、 おい、首っ、しまってる!」 首しまって苦しいからやめてくれ! そう言えば「じゃ、自分で歩け。」と首を開放された。 「ゲホ、ゲホゲホッ、おぅえ!」 1人えずくと「…………何むせてんだよ。」 と白い目で見られた。 「お前のせいだよ。」 じどぉ………と相馬を睨めば 「あ、それ知ってんぞ。変顔って奴だろ!」 と相馬はドヤ顔で言ってきた。 お前にイラついてんだよ。 馬鹿か、お前。
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