14(承前)

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 レーザー受光で硬直する模擬訓練服を着こんだ全員がサイコの元に集まった。サイコが情報端末に目をやっていう。 「訓練開始まであと6分だ。作戦のアイディアがある者? 菱川(ひしかわ)、いい考えは浮かんだか」  机上演習においては、この7名の中で断トツのトップがジョージだった。サイコは賢い指揮官で、自分の作戦に固執するつもりはないのだろう。 「この甲3区は平地の岩場で、見通しが効きません。ゲリラ戦を展開するには格好の地形です。ぼくたち東園寺班の目的は、夜明けまで生き延びること。今回は7名をいくつかの班に分けるのがいいと思います」  7名しかいない戦力を分散する? 通常なら上策とはいえない。テルがいった。 「弾幕も薄くなるし、あっという間にすり潰(つぶ)されるんじゃないか」 「確かにうまく戦わないと瞬殺されるだろう。だけど、今回の戦闘は将棋のような形になる。どこまでも王を逃して3時間ちょうど逃げ切れれば、こちらの勝ちだ」  テルが口をとがらせた。 「そんなにうまくいくもんか。敵も10キロ走りたくないから、必死だぞ」
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