26、輝キ

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26、輝キ

学校帰りの金曜日。 本屋に入ると、新刊コーナーに悠馬が表紙を飾る女性誌が平積みされていた。 上半身は裸でシーツを羽織る姿は情事後をイメージさせている。 他にも〝悠馬”の名前が載る雑誌は沢山あった。 パラパラとページを捲ると、色んな表情の悠馬がいた。 悠馬とは、あの出来事の翌朝に仕事に送り出したきり。 夜になると、 『ちゃんと家に帰ってる?』 そんな気づかいの連絡をくれるけど、実物の悠馬とはもう暫く会えていない。 今はもう十一月半ばで、街に出ればコートを羽織ったりブーツを履いた人達が多く見える。 そして、寄り添いながら歩くカップルを見ては、 胸が切なくなる。 私の手にはさっき書店で買った、悠馬が表紙を飾る雑誌が入ったレジ袋が下がってる。 今夜、私はきっとこの雑誌を抱いて眠っていると思った。
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