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『………目覚めよ…………』
深い深い闇の中。
何やら声が聞こえる。
『……目覚めるのだ………』
恐らく俺を呼んでいるのだと思しき老人の声。
今は何時ぐらいなのだろうか。体内時計が確かなら、日付はまだ変わっていない気がする。
正直明日も仕事早いんだからもう少し寝ていたいのだが。
『………目覚め……ちょ、早く起きて
先進まないから…!!ワシ恥ずかしいから…!!』
キャラ捨てるの早ッ。
と、思ったと同時に、閉じた瞼の上が突然明るくなる。
どうやら電灯を点けたようだ。
なんか囃し立ててくる爺さんの情けない声を聴いてると、流石に狸寝入りをするのもアレな感じがしてきたので、
俺は眼を開くと共に、寝ぼけ眼を擦りながら、上体を起き上がらせた。
その前に立っていたのは…………
『おお。起きたか、客人よ。
早速話を………』
…………………………………………………………
『ちょ!!?二度寝しようとしないで!??
起きて!!せめてワシの話聴いてからにして!!???』
知らん。
全身水色のタイツに黒いグローブとブーツ、腰にちゃっちぃエンブレムの付いたベルト、その上に赤いマントを羽織った、
薄紫の肌、白い長髪が肩まで横に広がった、白目が黄色いジジィなんて夢の中の登場人物に決まっている。
さぁ明日も仕事が忙しいぞー。
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