第1章『悪のロボット軍団、始動?』

9/12
前へ
/12ページ
次へ
 まず第一。この世界について。  これは既に地獄博士も言っていたが、俺が生活していた世界とは異なる世界である、とのこと。  ただし、異世界といっても、基本的な世界構造や文化、社会常識そのものは俺のいた世界と殆ど差異がないらしい。  実際、ヘルメイスが数枚のファイルと共に資料として持ってきた、この世界の日本の硬貨や紙幣も、俺がいた世界の日本のものと寸分の違いもなかった。  ただひとつ大きく違うと言えるのは、終戦以降、ロボット工学やそれに準ずる科学技術、兵器開発技術がメキメキと発達し、巨大ロボットの存在が一般的になっているという事である。  工事現場に足を運べばショベルカーやダンプに混じって人型重機ロボットが1台や2台必ず配備されているし、  災害現場に趣けば、消防隊員に混じって瓦礫撤去や生存者救出用のレスキューロボットが活躍するのだという。  何だか子供の頃、本で読んだ未来の街の姿みたいでワクワクするが、便利な道具というものには、必ずそれを悪用する人間が付いて回るものである。  曰く、この世界には世界征服を企む悪の天才科学者、ロボット兵器を用いて世界政府からの独立を目論む悪の軍事国家、果てには成長し過ぎた人工頭脳の影響で人類に反旗を翻したロボット軍団etc.etc.ロボットアニメで見たような組織がゴロゴロしているのだそうな。  …ん?するってぇとコイツらは……?  俺の視線を察したか、ヘルメイスは次の説明に移る。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加