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その日は平日ということもあり、私は将志から贈り物をしたいという希望を断り続けていた。
「いいよ別に。もうめでたい歳でもないし」
「俺が贈りたいんですけど」
恨みがましい目で見つめてくる。もう出勤時間だからやめてほしい。
「いらないって」
「俺の気持ちはどうでもいいのかよ!!」
叫ばれた。せっかくだが、こちらはめんどくさい気持ちになる。
「帰ってから話そう。時間がない」
「もういい! そんなに嫌なら俺、出ていく!!」
「はあ?」
財布だけ握りしめて、私の脇を走り抜けていった。
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