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「俺は。。。って、待てよ!空は!?」
自分の名前を名乗る前に思わず見上げる。
やっぱり、そこには真っ赤な空、黒い雲。
「さっきまで青かったじゃねぇかよ・・・」
アキナと名乗る女子は、空を見上げ訝しげな顔をした。
「え?今日は快晴だし、まだお昼だからお空は赤くなんてないよ?」
「・・・は?」
「ところでお名前は?」
「俺は・・・名前・・・」
自分の名前を名乗ろうとした瞬間、言葉に詰まる。
「名前・・・?」
頭の中にすぐ出てくるはずの“名前”という記憶が、ない。
「俺の名前・・・わかんねぇ・・・」
「は!?」
アキナは彼の一言に驚愕した。
「待って全然わかんない!今までどうしてたのよ!」
「今までは普通にちゃんと名乗ってたよ!でも、急にわからなくなっちまったんだ!」
アキナに強く言われ動転したのか、反射的に強く言ってしまった。
「っごめん・・・」
「いや、いいの。私も強く言い過ぎた。ごめんね。」
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