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いつものように土管の上に登り、いつものように空を見上げる。
いつものように月が明るく照らしている、はずなのに。
月は赤く、妖しく照らしていた。
まるで、血を流しているみたいな、赫(あか)
背筋がゾクリ、と。
ふと振り向けば、白い髪の少女がこちらを視ていた。
今日の月と、同じ赫い眼
少女は一言、つぶやいた。
「まタ、会エたネ。」
ぐるり、と世界が廻る。
いや、廻ったのは自分だったのか。
もう1度瞳に、少女の姿が映った。
はっきりと、笑っていた。
意識が
遠のく。
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