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先輩の顔が、怒りから苦しみの顔に変わる。
俺はただ先輩に申し訳なくて。
「ごめんなさい」
としか言えなかった。
暫くお互いに無言だったけど、先輩がハアッと息を吐いた。
「悪かったな。こんな事して。
……シャツ、直せよ」
先輩は黙って俺がシャツを直すのを見ていたが、
「大体、お前に危機感がないのがいけないんじゃないか?」
「え?」
「前に言ったろ?無防備だって」
「…………」
「もう少し自覚してくんないと。俺だっていつまでも守ってあげらんないし……」
何故だろう。
なんだかカチンときて。
「お言葉を返すようですが、」
俺は朝からのイライラを、先輩にぶつけ出した。
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