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何で?
さっきまで「セリ先輩」って言ってたのに。
誰も、先輩でさえ、俺を名前で読んだことないのに……。
「なあ。名前で呼ばれるほど仲がいいのは分かったけど、学校以外の場所でやってくんない?」
「先輩……」
「俺達今度の大会で引退するし。お前らに問題起こされたら迷惑なんだけど」
「…………」
冷たい目をして先輩は言った。
「もう集合かけるから。いい?」
「……はい」
「高野」
それまで黙っていた大石先輩が口を開く。
「セリの話くらい聞いてやれって。
お前が来るの待ってたみたいだし」
周りに人がいるのを気遣って、さりげなく言ってくれたが……。
「今日は用事があるから。後でメール入れる」
俺の方を見ないで、ため息と共に返された返事は、低く冷たい声だった。
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