第十八章 ついてない日々 (1)

2/10
前へ
/576ページ
次へ
大会まで二週間を切った。 去年よりいい結果を出したい。 相手から打ち返されるボールだけに、集中していた。 やっぱり部活のある日はいいな。 どんなに心の中にモヤモヤしたものがあっても、その時だけは忘れられるから。 あれから高野先輩と個人的な事は、全く喋っていない。 期末テストの活動休止期間があけたら、少しは関係が変わるかなって期待もしたけど……。 結局、期待が絶望に変わるだけだった。 「もうダメかな」って思ったら、テニスだけでもしっかりやろうと思った。 みんなと一緒でいいんだ。 先輩に「頑張ったな」って言われたかった。
/576ページ

最初のコメントを投稿しよう!

749人が本棚に入れています
本棚に追加