第五章 入部式

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「彼女がいたことは?」 「あります」 おかしな事が始まったらしいと気付いたのか、先に片付けが終わった女子部やサッカー部など、フェンス越しに人が集まってきている。 「手を繋いだことは?」 「……あります」 「キスをしたことは?」 「えっ、や……」 あるよ、あります! でも、それをここで大声で言うのか? 「どういうことだ? 二年? 指導が足りてないんじゃないか?」 「スミマセン!」 「あ~、あります!」 自分でも分かるくらい、情けない声が出た。 「くっ、アハハハハ」先輩たちが笑いだした。 「ごめん、ごめん。芹沢。もう下がっていいよ」 顔が熱い。列に戻ったけど顔があげられない。 「これで入部式を終了します。解散!」
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