第七章 夏休み (2)

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再び外に出ると、モワっとした暑さに包まれる。 「この距離って、チャリの方が良かったんじゃないですか?」 「そう思うだろ。でも今日は歩きの方がいいんだ」 「何でですか?」 「教えない。言ったらつまんなくなるから」 楽しげに笑う先輩。 うーん、気になる。 「アヂー」「死ぬぅ」とぼやく俺を、先輩も暑いだろうに「もう少しだから。頑張れよ」と変わらず励ましてくれた。 暫く歩いていると 「この間の試合、残念だったな」 思ってもみなかった話題をふられ、言葉に詰まる。 「もう少し攻めれれば、勝てたかもな」 「はい」 そうして試合の反省点など話しているうちに 「到着ー。 今日はここにお前を連れてきたかったんだ」
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