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「そんな事ないッスよ」と花火から先輩の方を見れば……。
薄暗いオレンジの光に照らされて、優しい目で俺を見ている先輩がいた。
……何でまたキュって心が痛い?
先輩のこと見たいのに、目が合わせられない……。
……何で?
もしかして……
これが「切ない」って気持ちなのか?
でも……
どうして先輩に?
それ以上考えてはいけないと思った。
怖かったんだ。その先にある感情に気づくことが。
……気づいちゃいけない。
だからこの気持ちは、花火と共に夏が終わる寂しさだと思い込んだ。
そうして本当の夏も終わっていった。
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