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11月も半ばになった。
文化祭に中間テスト、部活では対抗戦。二学期は慌ただしく過ぎていく。
あの花火の夜から俺は、なるべく二人っきりで高野先輩と話さないように気を付けている。
意識してしまうんだ。……先輩のこと。
気にしないようにしよう。
とすればするほど、先輩が気になってしまう。
気がつくと先輩のことを探しているのに、いざ本人を前にすると目が合わせられない。
今まで通り話すことも出来ず「ハイ」「イイエ」とぎこちなく答える事が増えてしまった。
洋輔に「芹ちゃん。先輩と何かあった?」と聞かれるくらいだから、端から見ても挙動不審なんだろう。
「何にもないよ」と答えながら、自分のモヤっとした気持ちがバレないよう話題を逸らす。
誰かが一緒なら変に意識することも減るから、なるべく一人では行動しない。
これが今、自分に課したルールだ。
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