第八章 女に嫉妬って?

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11月も半ばになった。 文化祭に中間テスト、部活では対抗戦。二学期は慌ただしく過ぎていく。 あの花火の夜から俺は、なるべく二人っきりで高野先輩と話さないように気を付けている。 意識してしまうんだ。……先輩のこと。 気にしないようにしよう。 とすればするほど、先輩が気になってしまう。 気がつくと先輩のことを探しているのに、いざ本人を前にすると目が合わせられない。 今まで通り話すことも出来ず「ハイ」「イイエ」とぎこちなく答える事が増えてしまった。 洋輔に「芹ちゃん。先輩と何かあった?」と聞かれるくらいだから、端から見ても挙動不審なんだろう。 「何にもないよ」と答えながら、自分のモヤっとした気持ちがバレないよう話題を逸らす。 誰かが一緒なら変に意識することも減るから、なるべく一人では行動しない。 これが今、自分に課したルールだ。
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