episode197 かくれんぼ

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「アア……」 先刻と同じように左手を前に添えると はじめはゆっくり。 「アアッ……!」 そして徐々に激しく――。 「ほら、いいだろ?今すぐにでも逝きそうだ」 初めて味わう 快感の波に飲まれながらも 「いや……いやっ……やめてっ……!」 僕は必死で首を横に振る。 だってこんなこと しに来たんじゃない。 僕は――。 「征司……お兄様ぁっ……!」 思わず声を上げて名前を呼んでしまった。 その瞬間。 「おい――うるさくて眠れやしないじゃないか」 ぶっきらぼうなノックと同時。 外側から 部屋の扉が開いた。
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