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待てども待てども
中から返事はなかった。
代わりに。
「ん……?」
ふと見上げた2階の窓から
こちらを凝視する視線に気がついた。
「あ!」
僕はこういうのには敏感なんだ。
間違いない。
レースのカーテンの影に垣間見えた
ブロンドのフィギュアのような彼――。
微動だにせず
ほんの数秒目があうと。
「おいっ……!」
ほっそりと青白い美しい指先を残して
静かに部屋の奥へと消えた。
僕は――。
彼こそクリスチャンだと直感する。
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