第二章

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ハイブランドのスーツを纏い、細い指の先端には光沢感のある赤のマニキュア、小粒なダイヤの散りばめられたピンキーリングが品よく光る。 カプチーノが注がれたティーカップの取っ手をつまんで持つその女の視線の先は、カフェの外、歩行者天国を行き交うカップル達。 睨みつけているようにも見えるが、彼女にとってこれは市場調査。 ヒロエは都内で結婚相談所を数店舗経営する女社長。綾子の大学時代からの友人。 「あーあ、プレッシャーかけすぎよ。男の方は腰が引けちゃってるじゃない」
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