第二章

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ヒロエの意味深な発言に、アイスコーヒーにミルクを垂らし入れていた綾子も窓の外が気になり、目だけを右に動かした。 ちょうど、向かいのブティックから、若いカップルが一組出て来た所。男性の手には大きな紙袋。ハットを浅く被った女性が、満面の笑みを浮かべて跳び跳ねている。 「なによ。幸せそうじゃない……あっ」 デーブルの上にポタリと溢れたミルク。綾子は近くにあったナプキンで直ぐにそれを拭き取った。 「そっちじゃなくて……、ホラ。隣の雑貨屋の」
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