第一章

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綾子にとって、六年間の交際を経た祐司とのそれは一種の行事に過ぎなかった。 「ごめん、俺明日早いんだ」 「ん、何時?」 「七時半には空港に着いてなきゃいけないから……五時起きかな」 「わかった」 起床時刻を考えて、二十分で事を済ませれば五時間の睡眠時間を確保出来る。スムーズに、滞り無く行事を終える。 それが、綾子に課せられた使命ともいえた。
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