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「ビックリしましたね。ホテル側のスタッフにまで見送りされるだなんて……、照れました」
「っ…………」
ホテルの正面エントランスを出た弓槻と綾子の背後では、二組目のカップルを盛大に祝う拍手の音が遠く聞こえている。
『38番、87番。おめでとうございます。カップル成立でございます──』
大袈裟ともいえるファンファーレ。壇上に上がった綾子と弓槻の頭上から舞った紙吹雪。
司会スタッフに促され、手を繋いだ二人はそのまま会場のど真ん中を抜け、レッドカーペットが敷かれたロビーを、ややうつ向き歩いた。
「ド派手な演出過ぎて……、結婚式かよって思いませんでした?」
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