妹のこと

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 死んだ父さんはとても優しかったこと、 母さんも昔はもっと優しい人だったが生活苦から変わってしまったこと、 学校でもみんなとあまりうまくなじめないでいること、 なんかをまるで他人ごとのように淡々と語った。  語り終えてから急に照れくさくなったのだろう。 菊苗は透き通るような笑顔を浮かべて、 馬太の肩を軽くグーで叩いて、 そのまま自分の部屋に帰ってしまった。
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