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「ぎこちない所もあったけど、
自分たちはホントにいい兄妹だったんじゃないか」と馬太は制服のしたに着るワイシャツのボタンを留めながら思った。
首元のボタンを留めるとき少し首がしまって苦しかった。
また少し成長したのだ。
中学校のブレザーも少しきつくなってきた。
新しいのが欲しいけどもうすぐ卒業だから我慢している。
でも妹の葬式なんだからちゃんとした格好をしたいとも思った。
馬太が中学に入学したばかりの時に父さんが新しい母さんと再婚した。
前の母さんは父さんと馬太を棄てて、
大学時代の友人だという男と出て行ってしまった。
その新しい母さんと一緒に来たのが妹の菊苗だった。
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