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馬太が見る限り、
菊苗はもっとかたくなだった。
誰とも打ち解けず、
馴れ合おうとしない。
初対面の時に見せたしかめっ面こそが菊苗の拙い唯一の心象表現のようだった。
初めて家族四人揃って食卓を囲んだ時、
母さんは無理して愛想笑いをしたり、
娘と自分がどれだけ仲睦まじいかをアピールしたりしていたが菊苗はその間、
一度も笑顔を見せず相づちすら打たなかった。
その時の母さんの硬く緊張した、
張りついた笑顔は、
新しい環境で生きる事の厳しさを物語っていて馬太の心を重くした。
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