8人が本棚に入れています
本棚に追加
食後、
手洗いにいく時、
馬太はつまらない場面に出くわした。
母さんが菊苗を階段の影に連れ込み、
何度も頬をひっぱたいていたのだ。
菊苗は視線を宙に漂わせ身体をこわばらせていた。
その態度が余計に苛立つのだろう母さんは一層、
力強く菊苗を打っていた。
馬太が廊下にいることに気付いた母さんは叩くのを慌てて止めて、
バツの悪そうな顔をしていたが、
その時でも菊苗は身体をこわばらせてこちらを少しも見なかった。
最初のコメントを投稿しよう!