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『え?リョウちゃん?』
戸惑いの声を漏らす彼女を二本の腕で拘束した。彼女は俺の胸に顔を押し付けて身動きできずにいる。
『離さねーよ』
俺の腕の中にすっぽりとおさまるその小さな体をぎゅっと抱き締めて耳許で囁いた。
こいつがいてくれたら、どんな壁でも乗り越えていける気がする。もしお前の笑顔が曇ることがあったなら、今度は俺がその笑顔を守っていくんだ。どんな辛いことがあっても、繋いだ手は決して離さない。
俺の弱ささえ受け入れてくれたお前の手は絶対に離さない。そう心に誓った。
ずっと一緒に笑っていられる未来をお前と作っていきたいから。
『ずっと一緒にいろよ』
『当たり前でしょ』
見慣れた笑顔が心なしか赤くなっている。それが可愛くて笑ってしまった俺をお前は不思議そうに見上げる。
『何?』
『別に…』
自然にいつもの雰囲気が戻ってきた。
その雰囲気にホッとする。そうだ。こうして、ずっと、この笑顔がそばにあれば、俺はくじけたりしない。 完
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