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白髪混じりの髪、年季のは入った顔の皺。紺色の羽織を着ており、昔気質な風貌をしている。
その佇まいには貫禄があり、畏怖堂々としたものだった。
「なんだよ、じぃさん。急に呼び出したりして」
ぶっきらぼうに陽希が言う。
「うむ、急を要する事態が発生した」
前振りもなく、老人──平賀玄翠(ひらがげんすい)が事態の急変を述べる。
ここ最近、多発していた連続殺人事件が解決した矢先の事。
数日前から、人が全身のあらゆる水分を抜かれ干からび死ぬと言う事件が勃発していた。
異常事態にいち速く気付いた玄翠は調査に乗り出る。が、大方目星は付いていた。
「今回も十中八九、大方奴が関わっているだろな」
聞いた陽希の表情が強張った。
「じぃさん、犯人──怪人の居場所は突き詰めたのか?」
「今、探っておる」
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