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 朝早くから、車を走らせ職場に向かう。平日ともあって、車の通りは少ないがそれなりの台数が車道の上を走っていた。どの車も自分の主を乗せ目的地に向かっている。その大半は主の職場だろう。  渋滞に遇うこともなく、滞りなく順調に職場に着くことが出来た。ちょうど、始業10分前。左手首に付けた腕時計で確認した後、会社の事務所に入る。 「おはようございます」  一言、挨拶し入室。  事務所には既に、数人の社員がいた。その内の一人、まだ20歳になったばかりの新人社員──金澤良平(かねざわりょうへい)が声をかけてきた。 「おはようございます! 武里先輩」  この金澤は、人懐っこい性格と勤勉さで割りと社内からの評判がいい男だ。   「ああ、おはよう」  挨拶を返し自分の席に座る。そして、早々に持ってきた自分のノートパソコンを立ち上げた。  
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