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各企業との契約内容とそれに伴う収支結果を入力していく。続いて、催しについての案内文章を作成。午後からは営業で外回りと仕事が盛り沢山だった。
入社して早3年、色々と仕事を任されるようになったが忙しすぎて仕事を辞めたくなる時がある。しかし、彼──武里博信(たけさとひろのぶ)には妻と子。守るべき家族がいた。
家族を養っていくため、おいそれと仕事を辞めるわけには行かなかった。陰湿な上司からのいびりに堪え、膨大な仕事量をこなしても給料は増えず。妻から給料が少ないと怒られ日々の愚痴を聞かされる毎日。
自分が何のために働いてるのか、時々分からなくなる。もういっそ死んで楽になりたいとさえ思っていた。
「…………はぁ」
昼休み、会社の屋上で昼食を採りその後辺りを囲う柵に寄りかかり遠くの景色を眺める。
(今日も空、青いな…………)
などと、現実逃避気味な思考に浸るのが彼の日課になっていた。
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