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◇◇◇  外が明るんで来る頃。一人の青年が人気のない商店街を歩いていく。  この静まり返った商店街に一つだけ、足音が響いている。彼──三島陽希はとある場所に向かっていた。  そこは、商店街を抜けその先にある住宅地の奥にある空き地だった。  空き地に着いた陽希は、なんのへんてつもない縦に置かれた直径一メートルの土管にたった。そして、土管の上に登り中へ飛び込んだ。  その土管は、地下に繋がる入り口だった。くねり曲がった通路を滑り落ちていく。  数百メートル潜った所で、広い空間に放り出される。  そこは、何らかの計測機器や大きなモニターがいくつも設備されている、無機質な部屋だった。例えるならば、特撮ヒーロー達が集う秘密基地のよう。 「来たか…………陽希」  円卓の前に座る老人が振り向く。  
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