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新年のカウントダウンは、ヘッドホンでラジオを聴きながら迎えた。
あー、年が明けたんだ…と思って、走らせてたペンをノートの上に転がして、椅子の背もたれにぐっと体重を乗せる。
椅子ごと傾いたあたしの身体。見上げても、目に移るのは、18年暮らした家の天井だけ。
でも、たとえば。
来年のあたしは、何処で誰と新年を迎えるのだろう。
けいちゃんと?? ?あの、家で?
学校がないからいいや、とはめっぱなしの、けいちゃんから貰った指輪は、確かな未来への約束。
うん。これがあるから、頑張れる。
ぬるくなった珈琲を飲んでたら、スマホがピカピカ光ってた。
七海と酒井くんからのメールだった。
七海のは、普通のあけおめメールだったけど、酒井くんのメールにあった、今年の目標、彼女を作る!!!に、くすっと笑いが漏れた。…受験合格じゃないんだ。
けいちゃんは…、けいちゃんは30日の夜から実家に帰るって、言ってたな。
帰って、あたしとのアレコレ報告しないと…って、出発前夜、電話でそんな話をした。
「お父さんもお母さんもびっくりするよね」
うちのお父さんみたいに、度肝抜かして、パニックになって、反対されたりしないのかな。
不安になったあたしに、けいちゃんは大丈夫だよって、笑う。
「結婚したいことも、その相手が教え子だってことも、もう伝えてある。今回報告するのは、無事千帆の両親の承諾を取り付けました、ってことだから」
そ、そっか、良かった。
「反対とかしないんだ」
「うちの親は、自分の責任でやるんだったら、自分の好きなようにしなさい、って感じだからねー、千帆のとことは違うかも」
それは社会人の親だからか。それとも三人兄弟だからか。
まだ会ったことのない、けいちゃんのお父さんとお母さん。どんな、人たちなんだろ。
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