分かつものは水たまりの中

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分かつものは水たまりの中

深く突き刺さった悲しみが連鎖する 傷みの棘を優しく抜いてあげる どうかわたしのエゴだと叱って 抜いた棘の(あと)は残されたままで 大きく開いた傷口から水が溢れ出す 両手で押さえてもまだ足りなくて 赤い水たまりが刹那(せつな)の切なさ 寂寞(せきばく)の黒い傷口は塞がりっこないから それごと優しく抱きしめてあげる どうかわたしのエゴだと笑って あなたがごまかす孤独を わたしに分けてくれるなら 一緒に赤く染まっても構わないから ずっと抱きしめていてあげる あなたがごまかす傷みを わたしに与えてくれるなら どこまでも赤く染まったっていいの もっと強く抱きしめてあげる 黒い寂寞(せきばく)が乾くまで赤い水たまりの中 孤独も傷みもあなたもすくってあげる それもやっぱりわたしのエゴだって あなたはいつもの寂しそうな笑顔で そう言ってくれるかしら 欠ける月満ちるより (「分かつものは水たまりの中に」改)
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