あらすじ

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あらすじ

 小谷 涼子の父は鬼背の里に纏わる伝承を紐解いていた。謎を追って行くうちに行方不明になってしまった父を案じ、生きて居ると信じてどんな願いも叶えると言われる鬼に手紙を出すが、返事が来る事は無かった。そんな涼子が、数年後不慮の事故で亡くなってしまう。自らが死んだ事に気付かず、他の幽霊達と共にこの世に止まっている涼子の事を知った母が、鬼の元を訪ねる。霊となった涼子達の影響で旧校舎の工事が進まず、困っていた社長からの頼みもあり、お祓いと言う形で鬼は彼等の元を訪ねる事に。けれども、自分達が霊だとなかなか認めず、そこに止まっている彼らに鬼は問う。その問いに答えられなかった霊が一人、また一人と姿を消して行く。最後に涼子が成仏すると、不思議と工事がスムーズに執り行われ始めた。  無事にお祓いは終わったものの、報酬を払うのを渋った社長の息子から手紙が届く。自分を殺して欲しいと願う彼を、不治の病で苦しんでいる少女の元へ連れて行くが聞き入れようとしない。学校で繰り返されるいじめに耐えかね、味方は誰も居ないのだと訴える彼の命と、不治の病に冒されながらも生きたいと願う少女の命とを交換する事を提案する。彼はあっけなく承諾し、その命を少女に渡してしまう。霊となった彼はいじめっ子から解放されて自由になれたと思っていたのだが、自分が死んだのは父が鬼に報酬を払わなかった罰だと両親は思い込んでしまった。  こんな理不尽な事はないと涼子が鬼を説得しようと試みるが、もうどうする事も出来なかった。せめて真相を両親に伝えるように言うも、それも叶わない。幽霊となった息子は、自分の命を与えられた少女と、自分の両親がこれからどんな未来を辿って行くのかを見届けるため、この世に止まる事となった。
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