誰か助けて

3/6
前へ
/6ページ
次へ
姉の里美は、そんな妹を見て心配になり 「志保、無理したらあかんよ。もう京都の方へ引越しした方がええよ、そやないとあんた、倒れてしまうで。ようよう考えや」 「うんお姉ちゃん。家もしんどうなってきたんや。引っ越ししようかなおもてる。同じ部屋に住んでるアイちゃん、もう実家に帰る言うてるしな」と二人が会話を交わした数日後、志保は疲労の為に京都の職場で倒れて入院することになった。 病名は急性膵炎だった。 志保の入院した病院は小さな病院できちんとした治療を受けることが出来なかった。 急性膵炎の場合、食事は出来ずに絶食になる。 そのために、点滴による補液が必要になる。 しかし、点滴でも高カロリー輸液になれば体の中心静脈に入れなければならず、その病院では末梢からの輸液しかしてもらえず、お腹のすいた志保は、隠れてパンを食べては膵炎を悪化させて治療を遅らせてしまっていた。 そんな志保を見た里美は大きなため息を吐いていた。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加