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「はー何で我慢できんの。食べたら治らんのやで」と優しく言うが、志保は
「お姉ちゃんには分からへんのんや、空腹がどないに辛い事か。私かてがまんしようと思ってる。でもたまらんよ。空腹は」と苦しそうな顔をしながら言う。
里美はそんな志保を見て心を痛めていた。
何とかしたいと思っていた。
それから2日後、姉の里美は志保の働いている会社から、もう働けないんだから健康保険を打ち切ると言われていることを志保から聞いて驚いた。
今保険を打ち切られたら、高額のお金を支払わなければならなくなるからだ。
志保の会社には、里美が交渉する事にした。
膵炎になれば最低でも1,2か月は働けないかもしれない。
だが、それを隠して、仕事先には、あと少しで結果が出ますからと言って、保険を切るのを伸ばしてもらっていた。
それともう一つ問題があった。
それは里美にも志保にも、病院代を払うお金がなかった。
里美は働きながら志保の面倒を見ていたが、このままでは、いつまでたっても志保は治らない。
誰か助けて、と呟いていた。
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