第13話 12月24日(水) 午後6時0分

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 けれど翔の願いに反して、その問いの答えは明らかだった。誰に聞くまでもない、答えははっきりと、その鋭い刃に映し出されている。  オレは、夜鬼なのだ。  翔はナイフの銀に光る己の瞳に、そろりと指先を伸ばした。その鈍い光は、彼の思いに応えるように、冷たく翔を迎え入れた。 【夜鬼――完】
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